平成27年11月29日(日)三原市リージョンプラザにて高次脳機能障害研修会が開催されました。

この研修会は、日本損害保険協会の助成により、広島県立障害者リハビリテーションセンターや家族会である脳外傷友の会シェイキングハンズが  広島県リハビリテーション講習会実行委員会  を組織して企画し、毎年開催されています。

基調講演 「高次脳機能障害について」広島県高次脳機能センター 村田芳夫 氏
講演1 「不安・易怒性に対する精神科の対応」東京慈恵会医科大学附属第三病院 精神神経科 舘野 歩 氏
講演2  「高次脳機能障害者と家族への心理的サポート」横浜市総合リハビリテーションセンター 臨床心理士 山口加代子 氏

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参加者は約200名。例年は広島市内での開催ですが、今回は三原市での開催ということで、備後地区、福山からの参加者も多く、また、精神科の医療機関の方の参加が多いように感じられました。

舘野先生は、不安や易怒性の治療に使われる治療薬についての解説のあと、うつ病に有効な森田療法を切り口に、高次脳機能障害のリハビリや治療に活かせる共通の視点として「あるがままを受け入れる」という点をご紹介くださいました。

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山口先生は、当事者が書いた書籍のなかの言葉や事例を通じて高次脳機能障害者が「自分に気づくこと」がいかに難しいかをお話されました。また、「当事者と家族は車の両輪である。どちらかだけを一生懸命支援してもうまく走らない」と表現されました。受傷によって、家族は以前と違ってしまった本人を受け入れる大変さ、変化した家族関係を調整したり生計維持の役割や方針決定をする役割、障害を他者に説明する役割など、たくさんのストレスに襲われると話され、家族への心理的サポートが必要だというお話がとても印象に残りました。