第1部は 「認知コミュニケーション障害の気づき方、対応法」というテーマで、帝京平成大学 健康メディカル部 言語聴覚科 教授 廣實真弓氏が講演をしました。廣實先生が関わって2019年に翻訳されたばかりの「後天性脳損傷のための認知コミュニケーションチェックリスト日本語版」の紹介をしてくださいました。一緒に過ごしている家族や周りの方が、この表を用いてチェックすることで、もしかしたら認知コミュニケーション障害があるかもしれないな、と気づき、専門家に検査をしてもらうために相談するときのツールとして使うことが目的だということを話されていました。
第2部は、「高次脳機能障害を抱える方と家族への心理支援」というテーマで、栃内第二病院 リハビリテーション部 副部長 公認心理師 山舘圭子氏が講演しました。山舘先生は、回復期リハビリテーション病院の臨床に携わる傍ら、家族会イーハトーブでピアカウンセラー・高次脳機能サポーター養成講座に取り組んでおられるとのこと。当事者や家族から話を聞くことでたくさんたくさん学ばせてもらった、と話されたことがとても印象的でした。行動の背景にある感情を理解することがとても大切、支援者が当事者や家族の思いを知ることが大事、と繰り返し話されていました。当法人では県内5カ所で、家族相談会を開催しています。備後地区や廿日市地区の相談会では、医療機関の専門家が家族の輪の中に入って話を聞いてくださる機会が増えています。サポートネットの実践をきっかけに専門家が家族や当事者の話に耳を傾けてくださることが広がっていくといいと感じました。
この講演会の内容は、テープ起こしをして、後日冊子にまとめます。年明けに当法人の会員に皆様には送付させていただく予定です。