「高次脳機能障害サポートネットひろしま」の代表の濵田です。
私の娘は29年前に高次脳機能障害になりました。当時は障害ともわからず、つらい年月を過ごしましたが、さまざまな出会いがあり、2001年に家族会を立ち上げ、2006年にNPO法人高次脳機能障害サポートネットひろしまを設立しました。NPO法人では、家族相談会や啓発活動のほか、当事者の自立を目指した障害福祉サービス事業を運営してきました。しかし、福祉制度の変化やコロナ禍により、財政的に困難に陥り、私たちが理想とする支援を続けることができなくなりました。
そうした折、社会福祉法人萌生会・一般社団法人めぐみの上田美幸理事長からお声掛けをいただき、この度、NPO法人を解散し、2023年4月から、「高次脳機能障害サポートネットひろしま」を一般社団法人めぐみに吸収していただきました。上田理事長をはじめ関係する皆様に心から感謝するとともに、私たちの活動が社会に求められていることを改めて認識し、身の引き締まる思いです。
高次脳機能障害は、外見からは分かりにくい障害です。職場や地域などはもちろん、家族でさえ理解することが困難です。また、医療機関を離れた後、生活の中で見えてくる、といった特性があることなどから、家族への支援が極めて重要な障害です。家族相談会は、家族が悩んだ時にいつでも相談できる、駆け込み寺のような場になれたら嬉しく思います。
高次脳機能障害者は、九死に一生を得た、生かされた方です。「生かされた命が生きがいのある人生になることを目指す」、この思いで今後とも支援を続けたいと考えていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(定款に記載された目的)
交通事故や病気により脳に損傷を負い、後遺症として高次脳機能障害を持った者、および家 族が主な利用者となる。この人たちに行政機関、医療機関、福祉機関などの情報を提供することや、高次脳機能障害者と家族の相談や情報、交流の場を提供すること、障害者総合支援法に基づく福祉サービス事業により、医療リハビリテーション後の生活訓練、社会参加準備訓練などの自立のための支援と就労のための支援を行い、さらに、社会に対しては、この障害の理解を深めるための啓発活動を行い、この障害者と家族が安心して暮らせる社会作りを目指す。